首より上(涙腺、唾液腺、眼)にあらわれる病気
どのような病気ですか?1)2)
首より上(涙腺、唾液腺、眼)にあらわれるIgG4関連疾患の代表的な病気には、IgG4関連涙腺・唾液腺炎とIgG4関連眼疾患があります。
IgG4関連涙腺・唾液腺炎1)
左右の涙腺や唾液腺、特に顎下腺がゆっくりと硬く腫れてくる病気です。まぶたが腫れぼったくなり、顔つきが変わったと周囲の方に指摘されることがあります。
IgG4関連眼疾患2)
IgG4関連涙腺炎の症状以外に、顔面の知覚をつかさどる三叉神経や、眼球を動かす筋肉の腫れがみられる場合もあります。腫れの程度によっては複視(物が二重に見える)や視力の低下が起こる場合があります。
- 主な症状
上まぶたの腫れ、ドライアイ、眼球の突出、複視(物が二重に見える)、口の渇き、など
上まぶたの腫れ
診断基準3)
2020 IgG4関連涙腺・唾液腺炎診断基準
- A.診断項目
- 涙腺、耳下腺あるいは顎下腺の腫脹を持続性(3ヵ月以上)に認める。
- 対称性、2ペア以上
- 1箇所以上
- 血清学的に高IgG4血症(135mg/dL以上)を認める。
- 涙腺あるいは唾液腺生検組織*に著明なIgG4陽性形質細胞浸潤(IgG4陽性/IgG陽性細胞が40%以上、かつIgG4陽性形質細胞が 10/HPF をこえる)を認める。
- B.診 断
- 項目1a+項目2または項目3を満たすもの、ないしは項目1b+項目2+項目3を満たすものを確診とする。
全身性IgG4関連疾患の部分症であり、多臓器病変を伴うことも多い。鑑別疾患に、サルコイドーシス、多中心性Castleman病、多発血管炎性肉芽腫症、悪性リンパ腫、癌などがあげられる。従って、項目1a+項目2で確診とされる場合も可能であれば生検を施行することが望ましい。
(注釈*)生検組織には口唇腺を含む
2016 IgG4関連眼疾患診断基準
- A.診断項目
- 画像所見で涙腺腫大、三叉神経腫大、外眼筋腫大のほか、さまざまな眼組織に腫瘤、腫大、肥厚性病変がみられる
- 病理組織学的に著明なリンパ球と形質細胞の浸潤がみられ、時に線維化がみられる。IgG4陽性の形質細胞がみられ、IgG4(+)/IgG(+)細胞比が40%以上、または IgG4陽性細胞数が強拡大視野(×400)内に 50個以上、を満たすものとする。しばしば胚中心がみられる
- 血清学的に高 IgG4血症を認める(>135mg/dL)
- B.診 断
- 確定診断群(definite):1)+2)+3)
- 準診断群(probable):1)+2)
- 疑診群(possible):1)+3)
- C.鑑別疾患
- Sjögren症候群、リンパ腫、サルコイドーシス、多発性血管性肉芽腫症、甲状腺眼症、特発性眼窩炎症、細菌・真菌感染による涙腺炎や眼窩蜂巣炎。
注意;Mucosa-associated lymphoid tissue(MALT)リンパ腫はIgG4陽性細胞を多く含むことがあり, 慎重な鑑別が必要。
- 「オールジャパン体制によるIgG4関連疾患の診断基準並びに診療指針の確立を目指す研究」班.
IgG4関連疾患 涙腺・唾液腺疾患. https://igg4.jp/igg4/lg_sg/ (閲覧日: 2026年1月9日) - 「オールジャパン体制によるIgG4関連疾患の診断基準並びに診療指針の確立を目指す研究」班.
IgG4関連疾患 眼疾患. https://igg4.jp/igg4/ed/ (閲覧日: 2026年1月9日) - 「オールジャパン体制によるIgG4関連疾患の診断基準並びに診療指針の確立を目指す研究」班. IgG4関連疾患とは.
https://igg4.jp/wp-content/themes/kyushu_ac_junkankinaika_igg4/img/pdf/igg4_02.pdf (閲覧日: 2026年1月9日)
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